大学院案内

理学研究科委員長からのメッセージ

理学部長 教授 山口 和夫

理学研究科委員長
教授 井上 和仁

基盤となる科学理論と応用力を身に付けた、
真に社会を支える人材を育てる

 神奈川大学大学院理学研究科は学部組織を土台として情報科学、化学、生物科学の3専攻をもって1993年にスタートしてから25年が経ちます。2012年に理学部に数理・物理学科が新設され、2016年3月に初めての卒業生を社会に送り出しました。これを受けて理学研究科は、2016年4月より理学専攻1専攻に改組し、その下に数学、物理学、情報科学、化学、生物科学の5領域を置き、理学専攻の基本・共通科目と各領域の専門科目を設け、より充実した教育課程を作り上げました。5領域あわせて演習担当は48名の教員を配置し、博士前期課程59名、博士後期課程3名の入学定員のもとに、学生約100名の教育と研究を行なっています。また改組に伴い、理学専攻博士前期課程に中学・高等学校の教員免許として、数学、理科の専修免許を取得できる課程を申請し、認可を受けました。この間に理学研究科では博士前期(修士)課程修了者854名、博士後期課程修了者41名、および課程外博士13名を社会に送り出しております。

 いずれの領域も自然科学の中でも近年ひときわ発展の目覚しい分野を中心にすえながら、基礎科学知識を徹底して身につけ、その知識を科学・技術問題の解決のために使いこなし、さらには技術革新につながるような発見・ 発明のできる人材を育成しようという目標を持っています。特定の先端的知識を詰め込むことよりも、基礎知識を確実に、そして柔軟に使いこなし、さまざまな領域で活用することが大切だと考えています。見通しのつきにくい問題を自分の取り組める数多くの小さな問題に整理し、試行錯誤を繰り返して問題を解決できる人材を育成していきたいと望んでいます。その実現を目指して、基礎知識の体系化と展開、そして演習・研究を通しての問題解決力を育むことを柱とした教育課程となっています。その最も大きな特徴として、個別指導教育が挙げられます。例えば、講義などで得た基礎知識の使い方を習得し新たに発展させることが目的の特別研究や、専門分野の論文を紐解く特別演習では、学生一人ひとりを個別に指導します。また、全学生が研究計画を策定し、それに基づきアドイザーを設け、教育・研究の一層の充実を図る複数指導体制も確立されています。

 そのほか、大学院生が学部の講義科目や実験演習科目での指導補助を行うTA制度や学部4年生が博士前期課程の講義科目を履修できる大学院特別科目等履修生制度など理学部との連携も図られています。また、国際化に対応して英語による講義科目も準備され、留学生の受け入れ体制も整えられています。

 以上、理学研究科の現状についてまとめました。今後、理学研究科がますます発展するように努力を重ねる所存でございます。皆様方のご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。