あなたの「興味・関心」、「やりたいこと」は何ですか?
理学部は「総合理学プログラム」と、「数理・物理学科」「情報科学科」「化学科」「生物科学科」の4つの学科から構成されています。「総合理学プログラム」に入学すると、3年次に4学科のうちから1つの学科を選択して分属することになっています。では、4学科の違いは何でしょう?
何となく科学に興味があるけれど、学科について迷っているあなた、あなたの勉強してみたいこと、将来つきたい職業にあった学科を探してみましょう。
勉強編
数理・物理学科では宇宙や天文について学ぶことが出来ます。私立大学としては珍しく、宇宙論や赤外線観測天文学の専門家がいます。物理学実験のための天文台も建築されています。
数理・物理学科ではシリコンやダイヤモンド、あるいは話題のカーボンナノチューブといった最新の半導体デバイスについても学ぶことが出来ます。
数理コースには、数学と応用数学に関連する研究室が多くあります。数学が好きで前向きに課題にトライし続けようとする意欲ある皆さんには、きっと自分の学びたい研究テーマが見つかるでしょう。
理学部には充実したコンピュータルーム(Linuxワークステーション152台・Linuxサーバ10台・WindowsPC220台を所有)があり、無線LANが学内に張り巡らされ、いつでも使用可能となっています。情報科学科にはノートPCの無料レンタル制度があり、4年間ずっと自分のものとして24時間使えます。理論も大切ですが、何より大切なことはいつもそばにあって使っていること、これがコンピュータを使えるようになるもっとも確実な方法です。
コンピュータってどうやって動くのか知っていますか、ちょっと詳しい人には「CPU」、「ハードディスク」、「メモリー」、「OS」と言った単語がすぐ浮かんでくるかもしれません。でもそれらがどのように助け合ってコンピュータを動かしているのでしょうか? 情報科学科ではこれらの基礎を学ぶカリキュラムがとても充実しています。授業で理論を学び、情報科学実験で体験すれば、きっとしっかり分かってくると思います。
インターネットってどういうふうに世界と繋がっているの?と思ったことはありませんか?・・・インターネットは今や私たちが生きていく上で欠かせないものとなりました。10年ちょっと前には考えられなかったことですね。何やら進歩が急すぎてとてもついていけないような感じがしますが、基礎的な枠組みは一つ一つ勉強していけば決して難しいものではありません。ぜひ一緒に勉強しましょう。ところで便利な一方、ネットワークの世界には悪い人もいて、危険もたくさんあります。危険を防ぐセキュリティ技術も大切な情報科学の研究課題で
携帯電話は最近ではID(個人を特定するもの)として使われることが多くなってきました。情報科学科の情報コースでは、携帯電話を使って情報のやり取りをする際のセキュリティの研究も行われています。
物理や化学の諸現象や生物は人間がいなくてもても客観的に存在しています。しかし情報は人間がいて初めて存在します。そういう意味で、情報科学は理系の中で人間に一番近い学問です。あなたも情報を通して人間や人間社会を見つめ直してみませんか。
世の中には数多くの薬品があります。それらを自在にしかも安全に扱うためには化学の知識と経験を十分に身に付けなければなりません。そして、化学科では単に薬品を使うだけでなく、自分の力で新しい薬品を作り出すことも学んでいきます。
化学の一つの目的は、化学反応を利用して、従来になく優れた性質を持つ新しい物質を作り出すことです。また、化学の研究をするためには、これまでに知られている物質だけでなく、全く新しい物質を必要とすることがあります。このような時にも新しい物質を作り出して利用します。
教科書にはいろいろな分子が出てきますが、それらの構造はどうやって分かったのでしょうか。その方法は、高校では教えてくれません。分子の構造を調べるには、様々な方法を駆使する必要があります。分子の性質は構造と強く関係しており、化学を学ぶには分子の構造を調べられるようにならなければならないのです。
役に立つと言ってもいろいろなことがあります。化学科では未来の燃料として期待されている水素を溜めることのできる材料、蛍のように光って環境の情報を与える材料、これまでにないほど強い酸として働く材料、光によって加工できる材料、新しい分解性材料など、新しい物質を作り出す研究をしています。それは決して役に立つことを目的とした研究ではありませんが、結果的に人類の役に立つ材料となることが期待されています。
化学では、リトマス紙による色の変化などだけではなく、反応によって光ったり、色が変わったりなど、様々な変化が表れます。そして、それらの変化が化粧品などに使われています。多くの化学反応では色の変化を伴うことはありませんが、人間は色に敏感であるため、色の変化があると反応が起こったことがすぐに分かってとても便利です。色の変化を利用すると、これまでにはなかった全く新しい研究ができることでしょう。
一口に環境問題と言っても、大気汚染、酸性雨、オゾンホール、異常気象、地球温暖化・・・といろいろあり、大切な課題もたくさんあります。例えば地球温暖化と大気中の二酸化炭素濃度の関係などは、よく報じられる一方、実際にはまだ十分に解明されているとはいえません。化学科には環境問題を広く視野に入れて水と空気の研究をしている研究室があります。
昆虫は、地球上のあらゆる環境に適応している生き物です。生物科学科には昆虫の体の仕組みを分子レベルで調べている研究室や、ホタルやコオロギなどの地理的分布と都市化との関連を調べている研究室があります。昆虫についての知識は、農薬の研究開発に役立つとともに、シルクを生産するために欠かせない蚕の品種改良などに役立ちます。
ゲノムに書き込まれた遺伝情報をもとに、様々なたんぱく質が作られます。生物は、何億年もかけて進化しながら、実に巧みな機能分子を数多く発明してきました。生物進化の産物である精巧な分子機械、たとえば筋肉が動く仕組みを解明すれば、高効率でエネルギーを仕事に変換する装置の設計に役に立ちます。光合成の仕組みを解明すれば、光のエネルギーを化学エネルギーに変換する装置などについても開発が進むでしょう。生物学は次世代をにらんだテクノロジーに大きなヒントを与え続けています。
神奈川大では、大型の海水魚、小型の淡水魚、ヒトデやウニなどの海産無脊椎動物、哺乳類であるラットなど、様々な動物を卒業研究生や大学院生が飼育しています。湘南ひらつかキャンパスには天然の海水を地下タンクに貯める設備があり、大きなエアポンプと濾過装置も完備していますが,普段の世話をなまけると動物たちは本当の姿を教えてくれません。ともかく生き物が好きな学生たちが一生懸命動物の世話をしています。地道に世話をすること、これが動物学研究の出発点なのです。
私たちが日ごろ口にしている食べ物が、からだの中でどのように変化して栄養になるのだろうか? そんな疑問を持った人はいませんか。神奈川大学理学部ではからだに取り込まれた物質がどうやって消化され、吸収され、からだのすみずみまで行き渡るのか、そしてその後どんなしくみでからだの働きを調節するのかについて詳しく学ぶことができます。
職業編
セールスエンジニアという職種があります。これは技術知識を背景にお客様に対して「ベストソリューション(最適な商品セット)」を提案する仕事です。営業は、お世辞や愛想でものを売るのではありません。お客様の要望に対して最適な答えを用意すること、つまり営業の本質は自分の集めた情報や知識を武器に物を売るのです。そのためには理系の幅広い基礎知識がとても重要なのです。
今や科学技術は複雑に進化し、同じ理系でも専門外のことは良く解らなくなりました。文系の人たちはなおさらだと思います。しかし現代社会では、最新の技術動向を理解していないとビジネスは成り立ちません。そんなとき頼りになるのが科学ジャーナリストです。最新の技術を専門外の人にも解り易く解説する。そんなニースはますます大きくなっていきます。そのためには理系の基礎を幅広く知りつつ、文系の素養も兼ね備えている必要があります。
電機系製造業は日本の基幹産業であり、日本の連結従業員数で上位15社のうち、実に9社が電機メーカーです。物理の基礎とその発展としての固体物理や半導体を学べば、電機メーカーへの道はとても広く開けます。
IT分野に進む際には、数学的な知識や考え方がとても役に立ちます。数理や物理で必要な数学やそれをもとにしたコンピュータ上での数値シミュレーションの実践を通して、情報科学の基礎と応用も自然と身につきます。
情報産業、金融・保険業、製造業、教育・出版など様々な業種において、その業務自体や組織の管理・運営などに数学的な知識や問題解決能力が活かせます。数理コースでは、皆さんの興味ある分野に応じた「数学」を、さらに深く学ぶことができます。
情報技術(IT)は今後世の中の中核技術としてますます発展していきます。そのためインターネットなどのIT技術を利用した新しいビジネスがどんどん生まれています。情報科学科を卒業し、会社を設立して活躍している卒業生もいます。あなたもそのような夢にチャレンジしませんか。
今の世の中、銀行のオンラインシステムを始め電子商取域システム、医療用画像解析システム、自動車や宇宙ロケットの制御システムなどコンピュータシステムを利用しないところはありません。そのようなシステムを開発するために必要な知識や技術はコンピュータの基本原理から、画像処理、検索エンジンなどの応用技術まで幅広くあります。それらを着実に身に着け、世界最先端のシステムをあなたの手でつくってみませんか。
気象、経済情勢、交通渋滞など、コンピュータを使って予測したいことは世の中にたくさんあります。そのための基本技術(数理シュミレーション技術)を本学科で身に付けることで様々な分野での活躍が期待できます。コンピュータの中にもう一つの世界をつくって現実世界では試せないことをいろいろと実験できる、これがシミュレーションの魅力です。
各企業における情報化戦略の立案・実行の責任者をCIO(chief information officer)と言います。今や、自社の情報システムの優劣がそのまま各企業の盛衰を決めるほどの影響をもつようになっています。CIOの役割の重要性は非常に高いものがあります。あなたも就職先企業での「情報のトップ」を目指しませんか。
製薬会社は化学の専門知識が直接活かせるため、化学生の一番人気です。多くの卒業生が薬品開発の場で活躍しています。
新しい化粧品を開発するには、様々な化学物質をいかに適切に配合するか、ということを考えなければなりません。そのためには、様々な化学物質の特性を知っているだけでなく、そのつくり方や生物に対する作用など、化学物質に対する幅広い知識が要求されます。そのような素養は化学科での幅広い学修によって培われます。
私たちの日常生活でなじみ深いプラスティック製品やゴム製品などには、化学、特に有機化学の知恵がたくさん詰まっています。
テレビなどで宣伝される製品を作るには、数多くの材料が必要です。このような材料を作る会社はあまり知られていませんが、世の中を支える大事な役割を果たしています。新しい材料を作り出すだけでなく、それらの品質を支えるのは化学の大事な役割です。
日本の製品の品質は世界一です。それは、数多くの職人が製品の品質を見定め、厳しい要求に応えられる製品だけを送り出してきたからです。そのためには、製品を精度良くしかも再現性良く分析しなければなりません。このような技術は化学によって養われます。
大学で学んだことをもとに花屋や造園家になった人もいます。農家になった人や農協に就職した人もいます。植物園で大学院生として研究をしている人や、会社で環境アセスメントの仕事をしている人もいます。
生物科学科で学んだことをもとに、ゲノムデータベースから情報を引き出すためのプログラムを作る仕事をしている人もいます。医薬情報担当者(MR)として医薬品メーカーとお医者さんの橋渡しをしいている人もいます。製薬会社や研究機関、実験動物を扱う会社で実験をしている人もいます。生物学と薬学は隣接する研究分野として、互いに刺激しあう関係にあります。
ペットを飼ったことがありますか? イヌやネコ,トリやキンギョを飼育すると、生き物を飼うことの喜びと大変さの両方を経験しますね。生物科学は、動物飼育と表裏一体の関係にあるので、生物科学科出身者の中には、動物飼育が職業に活かせる分野に就職する人がいます。ペットショップの店員やトリマー(動物の美容師さん)になる人がいます。釣り具屋さんに就職する人もいます。
大学で学んだことをもとに、食品や薬品の会社で働いている人がいます。自社の食品や医薬品を宣伝するにあたり、生物学的に適切な言葉づかいが信用を得る第一歩です。大学院に進学して、引き続きからだの中での物質の働きを研究している人もいます。電子顕微鏡を駆使した研究を大学院で行った後に、次世代電子顕微鏡の研究を企業で続けている人もいます。